・十月探鳥会の報告 (2024/11/01)
中部 10/13「打吹公園で秋の野鳥を探そう!」 倉吉市打吹公園
探鳥会の集合場所は当日、日本海駅伝の発着点となっており、とても混雑していました。県外ナンバーのバスがたくさん駐車してあり、大勢の高校生たちが準備をしていました。探鳥会には中部からだけでなく、西部から2名、県外から2名の参加がありました。探鳥会前日に双眼鏡を購入されたばかりの初参加者や、最近野鳥の会に入会されたばかりの参加者がいらっしゃいました。
皆で輪になり自己紹介をしていると、すぐ近くの桜の木の枝に、エゾビタキが姿を現してくれました。肉眼でも見える距離です。打吹公園の椿の平では、ヒヨドリたちが騒々しく鳴いています。しばらくして駅伝スタートの号砲が鳴ると、ドバトが一斉に飛び立ちました。その数なんと50羽。
エゾビタキを観察中 鳴き声を頼りに鳥探しをします
小動物コーナーで、チャボ、セキセイインコ、インドクジャクなどを見たあと、打吹山の山道を登って行きます。イカルの口笛のような声や、カケスのジャーという声が聞こえてきます。ヤマガラやソウシチョウの声もにぎやかです。途中の展望台からはトビが優雅に旋回しているのが見えます。その周りをイワツバメが飛び回っています。
更に歩き進んで、山頂手前にある、正面展望台の2階に上がり、倉吉の街並みを眺めます。アトリの群れが、山から山へと飛んで行きます。キンモクセイの甘い香りに誘われて、メジロが姿を現しました。
ソウシチョウとヤマガラも出ました カケスとメジロの声を聞きながら、展望台から市内の景色を鑑賞
時間になったので、下山し、麓の東屋で鳥合わせをしました。打吹公園はどこへ行ってもヒヨドリの大合唱が聞こえます。今日は良く晴れて、10月中旬にしては暑い探鳥会になりました。解散後、希望者に来年のカレンダーを購入して頂きました。
(by M.M、 photo:R.Y)
西部 10/6 「秋の大山一斉清掃+秋の野鳥を探そう!」 大山町大山寺
恒例の秋の大山一斉清掃に参加しました。いつもは10月の第3日曜の行事ですが、今年は年輪ピック開催との関係で第1日曜になりました。「野鳥の会」班は22人(このうち会員外2人)の参加で、いつものように大山寺橋から横手別れまでを担当しました。ゴミの量は可燃:1袋、不燃:0.3袋程度、例年と比較するとあまり多くはありませんでした。
一斉清掃の集合場所にて「野鳥の会」班 手にゴミ袋を下げて県道沿いを歩く・・いつもの光景
ゴミ拾い終了後は小鳥の道経由で大山寺橋まで戻るといういつものルートでしたが、鳥の姿はちょっと寂しく、鳴いているのはソウシチョウばかり。10月初旬のためか、冬の渡り鳥の飛来はこれから、カラ類の混群形成もこれからという、鳥見には端境期だったのかもしれません。それでも、シジュウカラやアオゲラの姿は見ることができました。
アキチョウジが満開 最後の鳥合わせ・・今日はあまり出なかったね
一方で秋の花々は今が盛りの賑やかさで、アキノキリンソウ、ミズヒキ、ナギナタコウジュ、アキチョウジなどが美しく咲いていました。確認した鳥:イワツバメ、エナガ、ゴジュウカラなど12種
(by T.T)
東部 10/6 「とっとり出会いの森で野鳥に逢おう!」 鳥取市桂見
「暑さ寒さも彼岸まで」と言うが、今年は10月に入ってからも数日は真夏日が続き、体力も気力もなえかけていた。探鳥会まであと一週間という時に台風18号が発生、その後に熱帯低気圧に変わったものの、秋雨前線を刺激して連日雨降り。このまま続くとどうかなと心配したが、うまい具合に当日は晴れとなり開催することが出来た。
モズの高鳴きを合図に探鳥スタート。最初、目に飛び込んで来たのは電線に止まっているスズメとイソヒヨドリ。葦原近くに移動し、思い思いに双眼鏡を覗いたら小さな干潟にイカルチドリ1羽、カルガモの群れの中にマガモ、コガモ、ヒドリガモ、など数羽が羽を休めている。その近くの枕木の上にカモが一列に並んで羽繕い、カルガモとマガモの間にコガモがチョコン。カモの種類によってこんなに大きさが違うのか比較ができた。コガモの小ささに、改めて「小さいねっ」と言って見入っている参加者もいた。
福井公園駐車場に集合 半年ぶりにヒドリガモやコガモたちに再会
マガモは冬羽に変わる前の個体?の様に見えたが、そこでは他にアオサギ、ダイサギ、ミサゴ、などの姿も見られた。逆に、下見した時にいたハシビロガモやキンクロハジロの姿は無かった。それにしてもアカミミガメは相変わらず多く、岸で甲羅干ししている亀は全てがそうだった。
次のポイントに行く途中、エゾビタキを確認。ちょうど渡りの途中で、海岸に近いこの場所がコースとなっているようだ。枯れ木の枝先からフライングを繰り返し餌をキャッチしている様子が興味深く、皆で楽しんだ。
階段状になった坂道を進み、湖面が見渡せる展望台へ。ミサゴの魚取りを見つつ、しばし休憩。水面から少し顔を出してる岩場にはカワウが十数羽日向ぼっこしているのが見える。長閑(のどか)だねー。気温も上がり、汗ばむ程になって来たので下ることとした。
リンゴドクガの幼虫。名前に似合わず毒は無し。 この付近では、行きも帰りもエゾビタキに会えました。
集合場所に戻る途中にも、エゾビタキが見送りのためか間近に来てくれて、皆さんしっかりと目に焼き付けることが出来た。参加者は大満足の様だった。最後に鳥合わせを行い解散となった。
今年の夏を体感して思うのだが、この異常気象が渡り鳥にどのような影響を及ぼすのか。いや、既に影響は出ているに違いない。我々の眼に写っていないだけなのかも!
(by K.O、photo:管理人)
・九月探鳥会の報告 (2024/9/30)
西部 9/15「鏡ヶ成で高原の野鳥を探そう!」 江府町御机
前日の天気予報では、午前曇り午後雨。当日は、米子市内は朝から雨、でも大山はきれいに見えていました。国道を走ると雨はほとんど降っていませんが、鏡ヶ成に到着したらガスで真っ白!霧の中、会員8人と会員以外の8人が集まりました。
霧の中で集合 自然学習歩道を歩いて野鳥を探す
最初に、米子市内の久しぶりの降雨と鏡ヶ成の涼しい気温に感謝し、いざ探鳥+植物観察へ。ガスが晴れてくると上空を舞うイワツバメ50+、見上げても白い腰は見えませんが、尾羽が短いのが識別ポイントです。芝生広場ではキジバト、ハクセキレイ、セグロセキレイを観察、近くの樹からモズの声も聞こえました。自然学習歩道ではエナガの群れ、幹を上下するゴジュウカラなどを観察。
林床にはたくさんのキノコ、足元にはキバナアキギリの花、億両(ツルシキミ)の赤い実を見つけました。可愛らしいミゾソバの花を見て、ツリフネソウの実を触って、はじける感触を楽しみました。
暑い日が続く初秋、涼しい奥大山でいろいろな秋を発見できた探鳥会でした。
(by H.T)
(← 最後に芝生広場で鳥合わせ。)
中部 9/8 「浜辺の鳥・山野の鳥に会おう!」 湯梨浜町宇野
この日のトピックスは、アオバトの200羽の群れ。海水を飲みに集団でやってくるとは聞いていたが、それに遭遇できたようです。20羽から50羽ほどの集団がいくつも何度も飛び交い、確実な数はわからないものの、少なくとも200羽はいたと思われました。
海岸移動中
他には、コシアカツバメが巣に出入りしたり、イソヒヨドリが3羽で縄張り争いをする様子を観察しました。
(by R.Y)
東部 9/1 「とっとり出会いの森で野鳥に逢おう!」 鳥取市桂見
当日朝は青空が広がり、風がわずかにありました。台風の余波が全く感じられないという点では幸いだったのですが、そもそもこの時期は観察できる鳥種の少なさが予想されます。そこで、今回はT副支部長と相談の上、コースでの野鳥観察は行うものの、それ以外のオプションも用意しました。
参加者は18名(うち非会員4名)。出合いの森の駐車場に集合し開始時刻までそれぞれ歓談していると、立木にシジュウカラがやって来て、長時間にわたり姿を観察させてくれました。また、それに加えてメジロの群れも飛来、これが今回間近で野鳥観察できた唯一の機会だったように思います。それ以外には、メスを追いかけ回すオスというイソヒヨドリのペアくらいでしょうか。
梨の親木の上をコシアカツバメが舞います 梨&野鳥の専門家の解説を聞くという贅沢
案の定、鳥が少なそうだったので、オプションの一つ目として、皆さんを公園の一画にある「二十世紀梨の親木」にご案内しました。折しも、鳥取県に導入されて120周年という節目を迎えた古木です。この木の枝から苗木が増産され、鳥取県が「二十世紀」を中心とするナシの大産地になったことなどを紹介しました。テレビではよく見るけど、ここにあったとは知らなかったという声が聞かれ、ひとまず「手ぶらで帰る」空振り感は回避できたかなと、少し安堵しました。
さて、二十世紀の親木を含む鳥見コースで、一応300mばかりの屋外観察を行ったわけですが、観察された鳥種は、わずか11種でした。それでも当初予想(7~8種)よりは上だったので、まあ良しとしましょうか。
貴重な親木の実を食い散らかした犯人は? 「今、ヤブサメを鳴かせたが、判りましたか?」
もう一つの企画が、「鳥の鳴き声研修会」(この呼び方が適切かどうかわかりませんが)です。出合いの森の管理棟の中にスピーカーを持参し、認定NPO法人バードリサーチのネットサイト「鳴き声図鑑」の音声を少し交えながら、私が収集した代表的な鳥たちのさえずりや地鳴きを聴いていただきました。同じ種でも、さえずりのパターンにバリエーションがあることなどを解説しました。ヤブサメの音声による聴覚診断?もありました(意図していませんが・・)。
いずれにしても初めての試みだったので、今後の進め方については改善の余地がありそうです。参加された皆様のご意見をお願いします。
(by A.Y、photo:管理人)
・八月探鳥会の報告 (2024/8/30)
東部 8/4「三滝ダムで野鳥を見つけよう!」 智頭町三滝
8月4日に探鳥会を芦津渓谷の源流コースで行いました。集まったのは熱心な会員6名。標高700m超えの森林の中を散策するコースで日陰、そよ風も吹いていて涼しい探鳥が出来ました。鳥の少ない(目立たない)時期なので森林浴を兼ねた探鳥会です。鳥取市からは40km以上有り、狭い曲がりくねった林道を通りますが、智頭町が森林セラピーのコースとして紹介している所です。
歩き始めにある立派な案内板 某大学設置のムササビ用巣箱。野鳥ではありえない高密度!
三滝ダム上流のトイレの有る駐車場の脇から北俣川に架かる橋を渡って森の中へ入ると木間を動く鳥影が多数、ヤマガラ、コガラ、ゴジュウカラなど。カケスの鳴声もあちこちから聞こえていました。樹間を動く鳥影が気になってほとんど動かずにじっくり見ました、歩いた距離は500m位かな。
探鳥を終わって鳥合わせをしてみると、予想以上の鳥数を確認していて10種。たまには、こう言う探鳥会も良いのではと思いました。
(by S.T photo:管理人)
←(針葉樹林の中は涼しくて快適でした。)
中部 8/4 「ツバメのねぐら入りを見てみよう!」 琴浦町箆津(のつ)
安田地区公民館から目的のトウモロコシ畑へ歩いて移動です。公民館の周囲にもたくさんのトウモロコシ畑が広がっています。人間用ではなく飼料用です。牛のごはんです。実も茎も葉も全部、切り刻んで発酵させるそうです。
およそ10分で目的地に着きました。国指定重要文化財の河本家住宅のすぐ裏手(北側)です。東西南北に舗装した道路があって、ここでねぐら入りを待ちました。座り込む人もあれば、立っている人も。サマーベッドを持ち込み、横になって待つのもありかもしれません。車は通りません。
北、南、東、西と、四方から集まってきます。 座り込んだり立ったりでねぐら入りを待ちます。
しばらくするとどこからともなくツバメたちが集まってきました。双眼鏡で覗くと少し離れた場所へ次々入っていくのが見えます。「さあ、くるぞ、どんどん頭の上を通過するぞ・・」と待ち続けましたが、結局、ツバメの群れを浴びる状況がないまま暗くなってしまいました。
あれ? 前夜はあれほど多くのツバメが飛び交ったのに…。多くの人間が待ち構えていたものだから、ツバメたちは何かおかしいと思って離れた場所に入ったのかもしれません。そんなツバメたちと参加のみなさん、ごめんなさい。 (by
S.T、 photo:H.Y)
西部 8/4 「ツバメのねぐら入りを見てみよう!」 米子市彦名新田
今年もねぐらは不安定で、安倍か?彦名か?葭津か?あるいは別の場所もあるのか? いろいろ気を揉んだ結果、昨年と同じ彦名でした。集合場所は米子水鳥公園入口の駐車場です。ここなら観察候補場所へ移動しやすい。
米子水鳥公園に集合 彦名中橋でツバメを待つ
18時に集合したのは会員16人、会員でない人12人の合計28人。小学生以下の子供が4人。ねぐら入りまで時間があるので集合場所でたっぷりツバメのお話をしました。時間を見計らってから現地の彦名中橋に移動、ツバメの到着を待ちました。車列と人を警戒したのか上空を通過し、やや遠くのアシ原の方へ飛んで行きます。
暗くなる頃、ようやくすぐ近くのアシ原にも集まってきました。アシ原スレスレを飛び回ってから、アシの茎にとまり、しばらくは賑やかに鳴いていました。
大山を眺めながら すぐ近くのアシ原にもやってきた
盂蘭盆の頃まではツバメのねぐら入りが観察できます。夕涼みがてら、日没時刻からほんの30分間、自然のドラマを堪能しませんか? (by H.T)
・七月探鳥会の報告 (2024/7/27)
中部 7/14「コアジサシのヒナを観察しよう!」 湯梨浜町天神川
小雨の中で、天神川で繁殖するコアジサシを観察しました。湯梨浜町の新川公園の小山にある東屋から観察で、多数のコアジサシが飛び交ったり、砂地で抱卵している様子が観察できました。これだけ多いと、天敵にも集団で防衛に当たれているようでした。
海岸の林からは、カッコウの声と姿が確認できたり、コムクドリの姿が観察できました。(by R.Y))
西部 7/7 「ブッポウソウを見守ろう!」 日南町
心配した天気も気にすることなく、夏の日差しを受けながらの探鳥会でした。集合場所の道の駅「にちなん日野川の郷」には23人が参加(会員18人、非会員5人)。車10台で目的地へ向け出発。
途中、2ヶ所の巣箱では車窓から電線にいるブッポウソウを確認しました。駐車場に車を置き、歩いて少し離れた目的の巣箱を見に行きます。姿はなかったので、会員のIさんにブッポウソウについてお話をしていただきました。
31番巣箱のブッポウソウ 約150mの場所から全員で観察
聞いている間に親鳥が帰って来て、姿をスコープで見ることができました。巣箱入り口に入るところ、顔を出しているところなど 、なかなか見られない場面を皆で見て、「よかった~!」の声。また次の場所へ車で移動。巣箱周辺の電線にいる姿や飛び回っている姿を見ることができました。
最後にカメラ設置場所へ移動。今年は初めの頃は来ていたが、何があったのか来なくなったとT氏の説明。残念。来年に期待です。ここでもいろいろお話を聞き、2022年の給餌画像のプリントを配り終了、解散。
その後はT氏農場の日南トマトの試食販売で終わりました。暑い中の探鳥会 ご苦労様でした。
(by K.Y、photo:I.T)
32番巣箱でビデオ画像をチェック
東部 7/7 「ブッポウソウを見守ろう!」 三朝町
7月の探鳥会は、中部へ遠征してブッポウソウの観察。幸い好天だったが、熱中症警報が出るほどの暑い日だったにもかかわらず、会員18名、会員外11名の29名と多数の参加者が集まった。東部では珍しいブッポウソウの魅力だろうか。
県道を1kmほど歩いて観察場所の人家の陰に移動した。巣箱までは150m程離れていて、鳥には影響しない距離。周囲を探すと奥の林の中に親鳥を発見。参加者に説明していると巣箱の屋根に移動してくれたので、スコープを合わせて順番に見て貰うことが出来た。
巣箱にとまったブッポウソウ 離れたところから巣箱を観察
給餌するところは観察できなかったが、日陰もなく暑いので、長時間は避け30分ほどで切り上げて集合場所近くの農業公園へ移動。林の陰の涼しいところで鳥合わせをして解散。観察できた鳥は、短時間にも関らず15種でした。(by
S.T)
「ブッポウソウ関連記事」
・ブッポウソウの巣箱周辺での観察・撮影に関するお願い (2024/7/7)
(ブッポウソウ保護活動の経緯、及び近年発生しているヒナの不審死について)
ブッポウソウは全身が緑色、飛ぶときには翼の白班が目立つ、とても美しい鳥です。別名「森の宝石」とも呼ばれています。夏には日本、朝鮮半島、中国沿岸部で子育てをおこない、冬は東南アジアやオーストラリアで過ごす渡り鳥です。
ブッポウソウは本来は大木にできた空洞の中に巣をつくりますが、日本国内では大木のある森は年々減少、数十年前からは西日本では木製の電柱にできた穴の中に巣をつくるようになりました。
しかし、最近は木製の電柱もコンクリート製に置き換えられて行ったために、鳥取県内でも他県と同様にブッポウソウの姿を見る機会が急速に減ってきていました。
その一方で、岡山県などでは野鳥の会が電柱に巣箱を設置することでブッポウソウの保護に努めており、当支部でもこれにならって巣箱の設置を始めることにしました。
2000年に最初の巣箱を日南町に設置。以降は年々設置場所を増やし、今までに81個の巣箱を鳥取県内に設置しました。巣箱設置の効果は非常に大きなものがあり、最近では毎年50個程度の巣箱がブッポウソウの夫婦によって利用されるようになり、ヒナの数も徐々に増えて2022年には過去最大の192羽のヒナを確認するまでになりました。
なお、2001年には鳥取県独自の「鳥取県希少動植物保護条例」が公布され、鳥類ではイヌワシ、クマタカ、コアジサシとともに、ブッポウソウも県による保護活動の対象となることが公式決定されています。
しかし、近年、南部町に設置した巣箱ではそれまで経験しなかったヒナの不審死があいつぐようになりました。以下に南部町在住の会員によるヒナ不審死の発生状況とその原因に関する報告を転載します。
『南部町の巣箱でヒナが死んでいるのが初めて確認されたのは、2016年にNo.108で1羽でした。その後、2021年にNo.108で2羽、2022年にNo.106で1羽、No.108で2羽、No.110で1羽、2023年にNo.108で3羽の死亡が確認されました。
2021年からNo.108に連日複数のカメラマンが居座っている、と現場を通りかかった方から度々連絡が入るようになったことから、カメラマンによる給餌妨害がヒナの死亡原因である可能性が高いです。また、No.106やNo.110もカメラマンが近づきやすい立地条件であることから、これらの死亡原因もカメラマンの影響が強く疑われます。
ヒナの標識調査(個体識別のための足環付け、体長、体重の測定等)時は、どのヒナも元気に生育しており、標識作業にも問題はなく、元気な状態で巣箱に戻しています。しかし、その後巣立つことなく死亡していることから、巣立ち直前に巣箱の近くで長時間カメラマンが居座っていたことが想像されます。2005年からヒナの標識調査を全く方法を変えることなく行なっていますが、2016年まで死亡例はなく、近年になって特定の巣箱で死亡例が増加していることからも、近年増加しているカメラマンとの因果関係が強く疑われます。
No.108では、カメラマンが居座っている場所の地権者の方や、地域振興協議会の協力を得て、カメラマンが居座る場所の入口に立ち入り禁止のロープと張り紙を2023年7月13日夕方に設置しましたが、ヒナを守ることができませんでした。もうこの巣箱で繁殖成功は期待できないと判断し、地元の方からの苦情もあることから、No.108を撤去しました。 (当支部会員より)』
このNo.108巣箱では、トップページに掲載した写真の分も含めて、2021年2羽、2022年2羽、2023年3羽、計7羽もの巣立ち直前のヒナの死亡が確認されており、他の巣箱には類例がない異常な高死亡率を記録しています。上の支部会員による報告にあるように、この間、この巣箱の近くに車を停めて居座っているカメラマン数名が頻繁に目撃されており、彼らの撮影行動が多数のヒナの死亡を招いたものと断定されます。
このカメラマンのグループは、巣箱を設置し管理している当支部会員や保護活動に協力していただいている地元住民の何回もの要請や説得を無視して、この数年間、六月から七月にかけての繁殖期にNo.108巣箱近くでの長時間の居座りを執拗に続けて来ました。この巣箱が特に被害を受けた要因としては、巣箱の設置位置が車道に近いために容易にアクセスしやすいという点が挙げられます。
ブッポウソウのヒナが巣立ちする前の二週間前には巣箱一個につき一日に約160回、一週間前には一 日約80〜100回の給餌行動が必要であることが既に調査によって明らかになっています。一日に12時間給餌すると仮定すれば、4.5分間から9分間に一度の割合で親鳥がヒナに餌を与え続けていることになります。
人間が巣の近くに何時間も居続けた場合には、親鳥は人間を恐れて巣に近づくことができず、この間、ヒナは絶食を強いられることになります。
ヒナが摂取できる水分は餌の昆虫の中に含まれる水分にしかありません。猛暑の中での餌不足が何日も続いた場合には、ヒナは脱水症状におちいることでしょう。
ベテランの観察者の見解によれば、不審死が発生しているこれらの巣箱でのヒナの死因は、餌不足に起因する脱水症状による死である可能性が一番高いだろうとのことです。カメラマンが巣の近くに長時間居続けるという行為自体が、ヒナに対する極めて残酷な仕打ちにほかなりません。
ブッポウソウ保護のために設けた巣箱の周辺でのカメラマンによる同様なトラブルは山口県や岡山県でも発生しています。山口県内ではブッポウソウの撮影禁止処置を決めた事例も出てきました。鳥取県内ではまだそこまでの処置には至っていませんが、今回、当支部では「ブッポウソウの観察・撮影に関するガイドライン」を作成しましたので内容をご確認ください。
なお、表題は「南部町における・・」となっていますが、鳥取県内のすべての地域でこのガイドラインの内容を守って観察・撮影をしていただくようにお願いいたします。
また、巣箱から一定の距離を保って短時間で観察・撮影するにしても、その巣箱の位置は絶対に他人には教えないようにしてください。巣箱に不用意に近づく人間の数が増えるほど、ヒナの命がより危険にさらされることになります。
さて、観察・撮影をされない一般の方にもお願いがあります。今後、ブッポウソウの写真を眼にした際には、その写真を「いつ」、「どこで」、「どのような方法で」撮影したのかを、必ず撮影者に確認するようにしてください。上に示したガイドラインに沿って撮影された写真かどうかを必ず確かめていただきたいのです。
ブッポウソウたちが命の危険も顧みずに、自からの力だけを使って片道数千kmもの海を超えて日本にやってくる究極の目的とは、日本の地でヒナを育てて自分たちの命を次世代へとつなぐことにほかなりません。自らの手足を動かすこともなく、その汗も流さないままに、各地の野鳥の会などが保護のために設置した巣箱に安易に便乗し、その近くに群がり、長時間にわたって居座り、その行為のためにヒナに給餌できなくて困っている親鳥を撮影しては、「美しい写真を撮った」と世間に自慢している人々。
仮にその写真が非常に美しいものであったとしても、ヒナの命と引き換えに撮った写真には何の価値もありません。撮影者自身の自己中心的な強欲さを示しているに過ぎません。
天然木に営巣するブッポウソウはすでに希少であり、以前に比べて出会う機会は大幅に減ってしまいました。現在、私たちが目にするブッポウソウの写真の大半が、人の手によって設置された巣箱の周辺で撮影されたものとみてよいでしょう。
現地での観察や保護活動を直接には手伝えず、もっぱら写真を見るだけの側の私たちにも、ブッポウソウの保護に協力することはできます。「そのブッポウソウの写真は、どこで、どのようにして撮影したものですか? その写真を撮ったことで、彼らの子育ての邪魔をしていませんか?」と撮影者に問いかけるだけでよいのです。 (by 管理人)
・六月探鳥会の報告 (2024/6/29)
西部 6/9「花回廊で野鳥と花を楽しもう」南部町鶴田
梅雨時でも怖くない!お馴染みの花回廊での探鳥会です。とはいえ、朝から今にも雨が降り出しそうな空模様。集まった常連の会員さんたちはカッパ着用で雨対策バッチリでした。集合場所の園入口付近ではキセキレイのオスとメスが虫を咥えて屋根の上で待機中。近くに給餌中のヒナがいるのかな。早く移動しなければ!
ササユリの素敵な色と香り 色とりどりのアジサイも咲き始め
園内ではちょうどササユリが見頃です。いつものように回廊を少し歩いた後北館から下に降り、樹林内でササユリの花の色と香りを堪能しました。上空ではサンショウクイが鳴きながら盛んに飛び回っています。キビタキも近くの木立の中で鳴いていますが、残念ながら姿は見えません。
メジロの群れを観察 花の丘にて大山方面を望む
「花の丘」ではマリーゴールドが一面に咲いていましたが、ここから見えるはずの大山は雲の中でした。結局雨は最後まで降らず、みずみずしい初夏の緑と鳥の声に癒された探鳥会になりました。参加者:14人(会員外3人)、観察された鳥種:18種(サンショウクイ、キセキレイ、キビタキ、ヤマガラ、サシバなど)(by T・T)
6/2 「初夏の花々と野鳥を楽しもう」 湯梨浜町あやめ池公園
東郷池あやめ池公園にて探鳥会を開催しました。集合時間前に雨が止み、参加者は会員が中西部と県外から13名、非会員の初参加者が4名ありました。集合場所の駐車場で自己紹介をした後、東郷池を紹介する看板でクイズ。
集合、初めての参加が4名 水蓮池のほとりで探鳥
園内に入ると、黄色や紫など3万株のハナショウブが見頃を迎えていました。白やピンクのスイレンも満開で、とてもきれいです。ここでスイレンとハスの違いを説明。スイレンは葉に切れ込みがあり、水面に張り付いていますが、ハスは葉に切れ込みがなく、水面より上にあります。
ハスから採れるレンコンの穴は真ん中の1つとそのまわりに奇数(7、9、11など)の穴があることなどを話していると、頭上にトビが!なんと魚を運んでいるではありませんか!ホトトギス、キビタキ、ウグイスの声も聞こえてきます。さらにサンショウクイやメジロ。ヒヨドリは姿を見せてくれました。
魚を運ぶトビ 吊橋の上から探します
藤棚の奥の看板の上にはセグロセキレイが、芝生の上にはスズメが観察出来ました。それから、かわいらしいコゲラが木の幹の低いところにちょこちょこと忙しそう。池のほとりにはカルガモが2羽が休んでいました。邪魔をしないように、カルガモのオスとメスの違いをスコープで観察しました。オオバンも1羽水面で揺られていました。秋冬になると沢山の水鳥が戻ってくる場所です。
鳥の英語クイズでは、ミサゴ(osprey)、トビ(kite)、オシドリ(mandarin duck)などを出題。吊橋を渡り、あやめ池スポーツセンターの裏手に行くと、ゲートボールをプレー中の皆さんの頭上で、トビ2羽が何やら小競り合いを始めました。攻められている1羽は鳴いていました。
東郷池を見渡す場所で探鳥 鳥合わせ中、すぐ近くにイソヒヨドリが出現
時間になったので、東屋に集まり鳥合わせをしていると、目の前にイソヒヨドリのオスが2羽出て来てくれました。それから、イカルの美しい鳴き声が聞こえてきたかと思ったら、10羽位の群れが山の方へ向かって飛んで行きました。ここあやめ池公園での探鳥会はいつも雨模様。次回は晴れますように。(by M.M、photo:H.Y)
6/2 「百谷でサンコウチョウを探そう」 鳥取市百谷
前日までの天気予報によると曇りだったものの、当日の朝には雨が降り始めました。去年までは「晴れ男」だった私、今年は一転して二か月連続の「雨男」に。集合時刻の9時を過ぎても強い雨は一向に止まず、「俺のでは10時までは降るらしい」、「私のはあと10分で止むはず」と各自のスマホに入れている「雨雲レーダー」の正確さを競う即席コンペ状態。9時20分ごろにようやく雨が止み、約30分遅れで探鳥会がスタートしました。
お墓の上でホオジロが楽しそうに歌います 昨日サンコウチョウ♂が出た地点、今日は空振り
雨が上がると、さっそくシジュカラやメジロ、ヒヨドリが鳴き始め、時々サンショウクイも上空を横切る中、スギやヒノキ林に囲まれた林道を進みます。しかし、お目当てのサンコウチョウが一向に鳴いてくれません。よく晴れていた前日の下見ではこの林道沿いの三か所でしきりにさえずり、うち二カ所では♂の姿も確認できたのですが、今朝はサエズリすらゼロ。直前の雨のせいで気温が下がり、エサとなる昆虫が飛ばないとなると、ここまで変わるものなのか。
しかし、予定していた数点のポイントで待つうちに、対岸の茂みに停まったサンショウクイや、地面近くに降りて来たキビタキを見ることができました。また、巣立ち直後のヒナにエサをやるホオジロの姿も確認できました。今回が初参加の方も、スコープで見たホオジロを見て「可愛い!」と声をあげるなど、皆がそれなりに楽しまれたようです。
ヒナに給餌中のホオジロ♂、Mrイクメン君(by S.N) 最後に皆でキセキレイを見ました
予定時刻の11時になったので引き返して、集合場所の公民館横に戻って鳥合わせ。サンコウチョウの所は「残念ながらゼロでしたね」と念押し。するとその直後、突然の「ツキヒーホシ、ホイホイホイ!」の声とともに、何かの影が数m先の桜の木の樹冠に飛び込んできた!
鳥合わせそっちのけで全員が一斉に双眼鏡をそちらに向ける。すると十数秒後には背中が赤褐色の小鳥が二羽、樹冠から飛び出して元の森の中へと帰っていきました。O氏によると片方はまだ尾羽の短い♂だったとのことで、サンコウチョウの♀と若い♂のペアだったようです。鳥合わせでの「サンコウチョウ、ゼロ」の声に反応してアピールしたくなったのか、最後の最後に乱入してその姿を見せてくれました。こんなことってよくあるものなのでしょうか。何とも不思議な結末でした。
参加者は25名(うち非会員は13名)、20種を確認。雨の中での待機、ご苦労様でした。また、冷たい雨の中で傘を差してたたずんでいる我々を見かねて、公民館を開けてトイレを使わせていただいた地元の方には深く感謝申し上げます。ありがとうございました。(by 管理人)
・五月探鳥会の報告 (2024/5/28)
西部 5/18~19「バードウォッチングin 大山」(山楽荘共催、日本海新聞特別後援) 大山町大山
18日(土)午後には前夜祭(夕方の探鳥会+山楽荘での山菜フルコース夕食)として会員とその家族を対象に実施し、10人が参加しました。夕方の時間帯にも関わらずオオルリがよくさえずり、大山寺や金門を回ってその姿を探しました。
大山寺境内からオオルリの姿を探す 夕日を受けて輝く大山北壁
19日(日)午前には、去年からスタートした「探鳥会+山楽荘での山菜フルコースランチ」スタイルに59人(会員:21人、会員外38人)もの参加がありました。鳥を見るのも探鳥会参加も初めての方も多く、双眼鏡を貸し出してまずは使い方の練習から。会員と会員外の混合チームで4班に分け、阿弥陀堂コースや寂静山コースなどを回り、新緑に溢れる大山寺での探鳥を楽しみました。
山楽荘駐車場にて開会の挨拶 大山寺橋でイワツバメと観察
ソングポストにいるオオルリ・キセキレイ・ホオジロの姿を確認し、バリエーション豊かにあちらこちらでさえずるキビタキの姿を探し、ツツドリ・カッコウ・ホトトギス・ジュウイチの声に耳を済ませました。大山では夏鳥としてお馴染みのジョウビタキの姿も見ることが出来ました。
お昼には山楽荘の大広間で山菜料理のフルコースをいただき、目も耳もお腹も一杯の大満足のイベントとなりました。参加してくださった皆さま、また来年も大山寺でお会いしましょう!確認できた鳥種:37種(T・T)
5/12 初心者向け探鳥会「青い鳥を探そう!」は悪天候のため、
東部、中部、西部の三会場とも全て中止しました。 (以下、西部会場の大山の状況)
春の天気予報は刻々と変わり、目を離せません。直近の予報は大荒れ、早朝の米子市内は雨、風がおさまった気配もありましたが、山は雨と風。とても外を歩けるような天候ではありませんでした。
中止記念?の集合写真(photo:TKNG♂) 写真展でじっくり野鳥観察(photo:TMR♂)
大山ナショナルパークセンターに集まったのは、会員7人、会員でない人2人の9人。資料を配り、いろいろ説明して時間を稼いでも天候の回復の気配はなく、悪化の一途なので探鳥会は中止しました。そして、大山自然歴史館で開催されている野鳥写真展に案内しました。野鳥写真に詳しい会員TKNG♂が鳥の説明、TKNG♀がスマホで鳥の鳴き声を流す、会員全員であれこれ話に加わり、おしゃべり会にしました。(文 TMR♂)
・四月探鳥会の報告 (2024/5/2)
西部 4/21 「春の大山一斉清掃+小鳥を探そう!」 大山町大山
恒例の大山一斉清掃に支部会員17人(西部15人、中部2人)が参加しました。担当エリアは、大山寺橋から県道沿いを横手別れまで約2kmです。以前に比べて量は減ったというものの、依然として歩道、側溝、藪にペットボトル、空き缶、吸い殻などが落ちています。心配された天候は霧雨程度まで、カッパを着ての作業ですが、小鳥の声、姿を探しながらの楽しい清掃活動です。
春の大山一斉清掃開会式 横手分れまでゴミ拾い
帰り道は、小鳥の道を大山寺橋まで戻りました。観察された夏鳥は、オオルリ、キビタキ、サンショウクイ、イワツバメ、アマツバメ。ツツドリとコマドリは声のみ。冬鳥のツグミの声も聞かれました。若葉が芽吹き始めた森はまだ見通しが効き、キツツキ類を探しやすい時期です。カラ類は繁殖の準備に懸命ようで、すぐ近くまで寄って来て、忙しく動き回っていました。
帰り道は小鳥の道で探鳥 雨模様のご褒美はダイセンニシキマイマイ
南光河原駐車場で鳥あわせをすると27種。一番印象に残った鳥は?と聞くと「オオルリ」でした。事務局から「支部設立30周年記念誌」の刊行を説明し、本部の90周年記念ピンバッジへの寄付をPRしました。
(by H.T)
中部 4/14 「琴浦町の鳥 カワセミを探そう!」 琴浦町逢束
琴浦町の鳥、カワセミを探しました。加勢蛇川河口の左岸に集合し、上流へ向け川岸を歩きます。途中、セッカの声を聞いたり、地面に降りるコシアカツバメを見たりしながらなのでゆっくりです。上空には西から東へ飛ぶヒヨドリの群れ、10数羽の小さな群れから200羽以上の大きな群れが次々飛んでいきます。
国道9号の橋に着きました。海にお尻を向けて橋の上で観察です。ここは町内で目撃情報が多いポイントです。よく止まる岩や枝を探しますが見つかりません。河川敷の木にカラスの巣を見つけました。抱卵中のようです。魚を捕まえたミサゴが上空を横切ります。
お目当てのカワセミが現れました。右岸の木の枝に止まったり、少し上流に場所を変えながらも長い間その姿を見せてくれました。双眼鏡でうまく見つけることができない人にはスコープで観察してもらいました。
どこどこ、カワセミは? 交代でスコープで観察
最後に野鳥なぞなぞを出しました。「ヤマガラが好きなのは? ファーストクラス? それともエコノミークラス? さあどっち?」。参加者は13名(うち非会員3名)。菜の花咲く河川敷に、思いっきり春を感じました。
(by S.T)
東部 4/7 「里山で春の小鳥を見よう!」 鳥取市若葉台
今回のフィールドは昨年11月に初めて探鳥会を催した場所、春の開催は初めてとなる。どのくらい野鳥の姿や鳴き声が聞けるのかワクワクしながら当日を迎えた。「天候よし!」、気温も上がって来た。集合場所のパーキングには既に数名の方の姿があり、参加者名簿に記入されていた。16名(うち非会員7名)参加。
一週間前に下見を行ったときは、まだキビタキの鳴き声は聞けなかった。今日の探鳥会、キビタキなど夏鳥は入って居るのか期待が高まる。挨拶と注意事項の後、いよいよスタート!
この集合場所(若葉台地区公民館)の横には道路をはさんで公園があり、高い樹木が枝を広げている。少し時間を取って、定点観察のようにこの場所で観察を始めた。するとメジロ、カワラヒワ、などが次々やって来てさえずりだした。特にメジロはかなり長居をしてくれて、皆さんがしっかり観察できて、初めて参加された方は感激されていた。他にもツグミ、ジョウビタキ♀、キジ、ウグイス、スズメ、コシアカツバメなど9種類確認できたので上々のすべり出しとなった。
担当のO氏「住宅地では双眼鏡は使わないように」 花と新緑の中を進む。イソヒヨドリの声。
裏山に入るまでしばらくは宅地内を歩くのだが、途中にある街路樹の4~5mの高さの所に、直径20cm位で丸く枝を編んだような巣。下見を行った時に見つけた巣で、何の鳥の作なのか、確かな事は不明のまま。本番で皆さんに見ていただこうと思っていた。ヒヨドリではと言う意見も出たが、結局は判らずじまい。確定には至らなかった。
山への入り口近くになると、急にウグイスの「ホーホケキョ」があちこちから聞こえ、双眼鏡を向けるが姿は見えなかった。山の中に分け入り先へと進んでみたが、夏鳥を代表するキビタキなどの鳴き声は無く、下見をした時と同じ状況。「ヒリヒリ」と鳴く常連のサンショウクイやコゲラ、エナガなどの姿は見られなかったが、ソウシチョウの大きな鳴き声とキツツキのドラミングは、はっきりと聞けた。
カキドオシの花。薬草だそうです。 最初の峠ではソウシチョウのサエズリの洗礼。
枝の間を飛び交う鳥を双眼鏡で追っかけていたとき、参加者から「シジュウカラかな?」と言う声。皆が一斉にその方向に目を向ける。「ネクタイしてるか?」と誰かの声。すると「ネクタイ、見えない!」との返事。近づいて来た鳥を見ると特徴的なベレー帽が見えた。コガラだった。チョコチョコ動き回るので、参加者全員が見れたかどうか。しばらくは観察出来た。
ルート上の樹木には昨年夏に「若葉台生き物クラブ」が架けた巣箱が数個あり、そっとのぞいて見たがカラ類などが立ち寄った痕跡はなかった。使うのなら、今なんだけど・・・。集合場所に戻る手前で農業用貯水池(大池)を観察。まだ北に帰っていないキンクロやカンムリカイツブリなどの6種がリストに追加出来た。全部で26種。
「ブラボー!」
探鳥会以外でもこのルートを散策するが、ソウシチョウとコガラを見るのは初。今回の最大の収穫はコガラが見えたことかな。反省としては、4月の探鳥会は上旬ではなく、やはり中旬以降がいいように思う。(by
K.O, photo:管理人)
← 鳥取市街から日本海まで、素晴らしい展望。
・三月探鳥会の報告 (2024/3/31)
西部 3/10 「大山山麓で春を探そう!」 伯耆町須村
2,3日前より雨、風、雪と寒い日が続く中、心配した天気も思わぬ良天に恵まれ、ゆっくり里山風景を楽しむことができました。
集合場所の駐車場の横にあるコブシの白い花はいつも春を感じながら眺めていたが、今年はまだ蕾みは堅く花を見ることはできませんでした。探鳥会日和のこの日は久し振りに顔を会わせる方々の参加もあり、つい皆さん話も弾み・・・。
集合場所から大山がきれいに見える 大山を眺めながら鳥を探す
雪景色の美しい大山を横目に見ながら少しひんやりした心地良い風を受け進む。田んぼの方からは、春を告げるヒバリ、ツグミの声を聞く。木立の中からはスズメの群れやコゲラ、エナガなど常連さんの姿を見、ホッとしました。姿の見られなかったウグイス、シロハラ等の一声あり。少し遠かったがアトリ、メジロ、カシラダカなど確認できました。
最後に福岡堤(つつみ)へ。急な土手を登ると水面にはコガモ、カルガモ、カイツブリなど、池沿いの木々にはアオサギ、婚姻色の個体もいました。ゆっくり観察しながら小休憩。水面には逆さ大山を見ることはできませんでした。
土手道に可愛い小さな水色の花オオイヌノフグリが咲いていました。藪の中の小道を通り抜け広場にジョウビタキ♀、コゲラ、少し遠くの電柱にノスリを確認。大山を眺めながら出発地点の駐車場にて鳥合わせをして解散しました。
福岡堤(つつみ)の土手に登る 駐車場に戻って鳥合わせ
今日は本当に天気に恵まれ、里山を歩くのに良かったです。若い会員の方の参加、久し振りに会う方々など、楽しい話もつきることなく終了しました。皆様、お疲れ様でした。(by
YMN, photo:TKN/TMR)
中部 3/10 「初春の里山の野鳥を見よう!」 北栄町北尾
朝の神社の境内では、カラ類の混群があらわれ、エナガとヤマガラをゆっくり観察することができました。山を下りて果樹園の広がった所では、ウメの花の蜜を吸うメジロや、樹冠のカワラヒワがみられました。鳥の種類は少なめでしたが、春の里山を満喫した日でした。(by
R.Y, photo:H.Y)
北条八幡宮のある里山を散策中 梅で蜜を吸うメジロが見られました
東部 3/3 「千代川の水辺で冬鳥を見よう!」 鳥取市河原町稲常
前日3/2の降雪で探鳥会は厳しい条件になると覚悟していました。当日は風こそ冷たいものの、天候に恵まれよい環境で観察することができました。しかも、数は少ないながら種類も28種と多く、なにより暖かい太陽が順光で鳥たちを映し、羽毛をかがやかせています。参加はほぼ会員ながら12名も集まっていただき、ありがとうございました。
千代川右岸の土手を散策中。 岸辺のカモが綺麗、特に緑色に輝くヨシガモは格別。
昨年の豪雨による増水で、隠れ家となる草木がなぎ倒されたことで数が少なかったのは残念でしたが、あざやかな水鳥を充分堪能できました。普段は多いはずのカルガモ・マガモがさほど目立たない代わりに、ヨシガモが20と多く、ミコアイサ・オカヨシガモ、最後にツバメが飛んでくれて楽しい朝となりました。(by H.O, photo:A.Y)
・二月探鳥会の報告 (2024/2/23)
西部 2/11 「西部海岸で海鳥を探そう!」 日野川河口~県西部海岸」
西部恒例の「海鳥を探そう!」は、何故か毎年天候に恵まれた探鳥会です。山陰の2月には極めて珍しいことでしょう。今年も早朝は雨が降ったものの開始から終了まで、雨は降らず風は弱くまずまずの探鳥会日和という感じでした。日野川河口には15人が集まり、まずカモメの識別からスタート。セグロカモメ、オオセグロカモメ、カモメ、ウミネコの4種を見比べました。次に川面のヨシガモなどをじっくり観察。
淀江漁港の浜からシノリガモ探し スコープとスマホで写したシノリガモ
そして車を連ねて淀江漁港に移動。ここでは、シノリガモを観察します。浜辺を見るとダイゼンが1羽、シロチドリが10+羽。シノリガモは岩陰、波間に隠れたり、見えたり。10羽ほどいるようですが、釣り人、カメラマンがいると遠ざかってしまいます。
最後に大山町の御来屋漁港へ。ウ3種(海、川、姫)とウミアイサを観察しました。最後に鳥合わせをしたら35種でしたが、そういえばヒバリ、ジョウビタキは声も姿も確認できませんでした。
(by H.T)
← 防波堤の上に並ぶ3種のウ
中部 2/4 「鎮守の森で 冬鳥を探そう!」 倉吉市八幡町
ここ倉吉八幡宮では、2015年10月以来の久しぶりの探鳥会です。お馴染みのメンバーに加えて、新しく正会員になられた方や、久々に探鳥会に復帰された方の参加がありました。初対面の方がいらっしゃったので、皆さんに自己紹介と今年見たい鳥や抱負などをお話してもらいました。
まず集合場所の駐車場から、周囲にいる鳥を観察します。手水舎のところにイソヒヨドリ。そしてウグイスのチャッチャッという地鳴きが聞こえてきて姿を見せてくれました。ヒヨドリはいつものように騒がしく鳴いています。ヤマガラも姿を現しました。
鳥居の前に集合 小鳥が右へ左へ
鳥居の前で、神社の説明を見た後、いざ境内へ。山門から本殿を見上げた木々の間をメジロやコゲラが左右に行き来していました。珍しい子連れ狛犬を通り過ぎ、本殿まで上がって参拝していると、背後からジャージャーというカケスの声が聞こえてきました。それからカワラヒワも現れました。
小雨がぱらついてきたので、本殿前で雨宿りをしながら、クイズを出題です。日本野鳥の会本部が出している羽根図鑑を 利用して羽根のクイズを10問。雨が止むと
本殿の周りを歩いてから横にある山道をゆっくり下りました。
神社を後にして小鴨川に向かいます。神社横にある公園の桜の木には、コゲラやウグイスがいました。歩道の上の雪は溶けていて歩きやすくなっていました。
川沿いの歩道から小鴨川を観察すると、いきなりカワセミの登場です。小魚を採って食べる姿が観察できました。食べた後も枝の上にじっと止まっていたので、長い間じっくりとカワセミを観察できました。
カワセミの足が短いのは、飛行やダイビング時に空気や水の抵抗を減らすためだそうです。
山道を行きます
カワセミの周りには、カワアイサのオスとメスが優雅に泳いでいました。河原にはイカルチドリが1羽観察できました。その手前の川の中にある小石の上には、セグロセキレイが2羽、尾をフリフリ動かしていました。
橋の反対側に渡って、小鴨川を観察すると 遠くにカワウとダイサギが観察できました。カワウは頭が白くなっていました。繁殖期なのでしょう。 河原で羽を休めていました。ジョウビタキも現れて、民家の方へ飛んで行きました。最後に公園に戻ると、シジュウカラがツピツピと大きな声で何かを喋っているようでした。
朝から雨模様で天気が心配されましたが、先週の大雪の残雪の心配もなく、倉吉八幡宮の鎮守の森で山野の鳥を、小鴨川で水辺の鳥の両方を観察できて良かったです。(by
M.M, photo:H.Y)
東部 2/4 「日光・酒ノ津で 冬鳥を見よう!」 気高町
午前9時に、龍見台の駐車場に集合。集合した人数は12名で全て会員さんでした。行程の説明のあと、最初の探鳥地に移動しました。
日光での観察(この時だけ一時的に雨が上がる) 飛び立つ前のコハクチョウ
日光の杉谷神社前に移動して観察開始。9時過ぎという時刻は、コハクチョウがねぐら立ちする前か、飛び去った後かという微妙な時間なのですが、到着時点では50羽が確認できました。ただ、盛んに鳴き交わす声が聞こえ、飛び立ち間近であることが予想されました。数分後、案の定、各20羽程度の2群に分かれて飛び立ち、見事な旋回と上昇を間近で観察することができました。
鳴きながら首を上下に振り、タイミングを 優雅でダイナミックな飛翔。この姿もあと1ヶ月ほど
合わせて一斉に飛び立っていきました。 (これらの写真二枚は、それぞれクリックで拡大)
水田にはある程度水が溜まっていたので、この日は泳いだり逆立ちして盛んにエサをとったりするカモ類などの姿が観られ、観察条件は恵まれていたと言えるでしょう。オナガガモやハシビロガモ、オカヨシガモなどの行動を興味深く観察しました。残念ながらガン類やコウノトリは不在でしたが、Oさんに稜線の木にとまるオオタカを見つけていただきました。
雨が少し強まってきたので、適当なところで切り上げ、酒ノ津漁港へ移動。いつもの岸壁から海側を観察し、防波堤に常連のヒメウとウミウ、少ないながらカモメ類が観察されました。いつも期待しつつ観られなかったウミアイサのつがいが確認できたのが収穫でした。
ヒメウの姿もあと2ヶ月ほど。北帰するころには 酒ノ津魚港(冷たい雨のなかでの観察です)
目の周りが赤くなっています。(クリックで拡大)
天気予報では雨が上がる見込みだったのですが、結局、終始カサが手放せない探鳥会になってしまいました。そんな中でも、前年の37種には及ばないまでも34種が観察されたので、まずまずといった感想です。
(by A.Y , photo:A.Y & S.N)
・一月探鳥会の報告 (2024/1/12)
西部 1/7 「西部にみんな集まれ! 新年合同探鳥会!」 米子市彦名
1月は「新年合同探鳥会」として、一カ所で東部・中部・西部の順番で開催しています。今年は西部地区が担当し、3年前と同じ米子水鳥公園を会場に選びました。積雪の季節であり、東部からの移動距離100km考慮し、集合時間は10時に設定しました。少し遅れた方もありましたが、東部地区から4人、中部地区から8人、県外(松江市)から3人、地元西部地区からは23人、総勢38人が参加されました。
玄関に置いた案内板 観察ホールの西側スペースで開始
支部長の新年のあいさつの後、探鳥会では観察ホールからハイイロガン、ソリハシセイタカシギなどをじっくり観察できました。探鳥会の後の会員交流会は少しずつ復興させ、抽選会の他に中古書籍販売、バードメイト寄付、オリジナル缶バッジづくりも加えました。
観察ホールからハイイロガンを観察 会議室に移動して交流会
はずれクジなしの抽選会 中古書籍販売(会員からの寄贈、売上は支部に寄付)
1階の会議室での交流会には36人が参加されました。役員、会員全員の名前と顔を確認しました。初めて探鳥会に参加した会員もあり、久しぶりに再会する会員もありました。子供たちはどんどん成長し、ベテラン会員は相変わらず元気な様子です。
新型コロナが5類になりましたが、終息したわけでないので室内での交流会はマスクが必要で飲食は不可、短時間で終了としました。(by HT, photo:ToTo)
← オリジナル缶バッジづくりに参加
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